お隣のご主人が末期の癌で緩和ケア病棟に入院され、もうあまり時間が残されていないと聞いた時の話です。
奥様に『言葉』をお伝えしたのですが 、受け入れてもらえませんでした。
そこでご主人の顔を思い浮かべながら『すそいおん』を、良くなるようにと毎日使いました。
ご主人が入院した緩和ケア病棟には、私が『言葉』を伝えた知人の看護師がいましたので、「ご主人の担当になった時には、『言葉』を使ってケアしてあげて」、と頼みました。
知人の後日談では「とてもわがままな患者だったのに、ある時から突然素直になり、手が掛からなくなった。終末期の大事な選択をするタイミングではいつも自分が担当で、奥様の相談にも対応出来ました」とのこと。
なるほど、、『言葉』を使うとこうなるんだな、と思いました。
亡くなられた後 、奥様から「病棟にはたくさんの看護師さんがいるのに 、いつも大事な場面では同じ看護師さんが相談にのってくれ、とても良くしてもらったの。私も主人とたくさん話をする事も出来たし。だから主人は穏やかな顔で亡くなる事が出来たのね」と聞きました。
奥様は何も知らないけれど、『言葉』を使って良かったと確認出来て、凄いなぁと思いました。
とねりこ(宮崎県/60代)