高齢の父が入所している施設から、「38℃の熱があり、食事もたべない。病院に連れて行くから来て欲しい」と連絡がありました。その時の父の様子は、目は開いていても、半ば意識を失っているようでした。
定期的に通っている病院に入院し、2日ほどして父の担当医から説明がありました。「肝臓の数値が1000になっている。 胆嚢炎と思われるので、絶食して点滴と抗生剤を入れる」とのこと。
2週間以上経ち 、「肝臓の数値が落ち着き発熱もないので、食事を摂るようにします」と病院から連絡がありました。 とりあえず一安心 、そう思いました。食事を摂り始めて4日した時に「また発熱があり、誤嚥性肺炎も疑われるので、食事を中断してまた点滴治療をする」と、説明がありました。そして 「このまま食べられない状況が続くなら、胃瘻の処置をして栄養を摂るようになるかもしれない」と告げられ、承諾書を渡されました。正直落ち込みました。
先生の説明の後で、担当の看護師さんが教えてくれましたが、 胃瘻もせずに自然にその時を待つ 、そんな選択をする家族もいるそうです。「 でもまだそれではさびしいですよね…」看護師さんの個人的な言葉でした。その通りです。 家族で話し合って、もし食べられなくなったら胃瘻にすると決めたものの、そうならないことを願いました。しばらくしてまた病状が落ち着き、食事を再開しました。しかし、やはり4日ほどして発熱し点滴治療を再開しました。
そうなって初めて、『言葉』を使い始めました。入院中の父に向けて『すそいおん』、毎日繰り返し使わせていただきました。病院に電話すれば、容態を教えてくれるのですが、怖くて10日ほど電話出来ず、まさにその10日後、電話で確認すると「落ち着いてきたので、食事を摂り始めた」と聞きました。それからもひたすらに『すそいおん』を言い続けました。 以前のように、また発熱ということがないように続けました。それから 1週間経っても安定しており、2週間そして3週間と続き、1ヶ月が経ち、何と担当医から退院の許可が出たのです。まだコロナの影響で父には会えずにいますが、毎日3度の食事を完食しているそうです。本当にこの『言葉』を頂けたお陰です。 ありがとうございます。
もんじゅ(大分県/50代)