3月16日に発生した福島沖を震源地とする地震は、自宅をこれでもか、というほど破壊しました。
断層の関係なのか、私の住む町は半壊全壊が集中し、随分取り壊され、引越しする方がたくさんいました。私も近い将来に移動予定です。
地震は停電を引き起こし、翌朝飼い猫達を探した時には、発生時に私の近くにいた″ステラ″以外は揺れと恐怖で全て屋外に逃げていて、全員が戻るまで3日かかりました。
動物病院には「猫を探しています」の貼り紙がいまだに何枚も見られます。
そんな中、首輪を付けているのに飼い主がいなくなったと思われる猫が、勝手にドアが開いた瞬間に入り込んだり、二階の窓越しに網戸まで壊して入り込み、外になど出たことの無い ″いまり″ ″きらり″と乱闘し、2匹とも手術する程の傷を負いました。特に″いまり″は肝臓、腎臓ともに最悪なレベルにまでなり入院、明日を迎えられるのかと思うほど負傷し、結果、顔の4分の1の皮膚を失いました。 ″きらり″は背中が化膿して手術し、10針縫いました。
『すそいおん』の言葉を家族と一緒に祈るように使いました。
それ以外にも、何かを食べたのか泡を噴き出して子猫の意識が無くなり、呼吸が弱くなった時も、娘と泣きながらただ一心に『すそいおん』を使いました。
「たかが猫に?」と心無い人の声が聞こえます。
「お金かかるし、ウチなら諦めるわ」、なんて声も聞こえます。
私達人間がどんなに愚かで醜い生き物かなんて、猫達は感じることも、分かることもないでしょう。
けれど、『すそいおん』を使える人間が、今消えようとしている命と向き合い、家族同様の小さな生き物に息を吹きこむべく、『すそいおん』を使い続けたら、獣医すら驚く奇跡が起きたのです。
共に涙を流し驚く出来事に、家族もやっと『すそいおん』の確信をしたと言ってくれました。
還って来てくれた猫に呟きました。
「ありがとう」と。
そういえば、家中の家具が倒れ、部屋という部屋は散乱し、割れるものは割れたのに、猫と私の部屋だけはキャットタワーも、スチールで作った猫のマンションの上から下まで、何も落ちていない、壊れていないことに気づいたのもつい先日でした。
そう、猫の感覚で生きてみたら素晴らしい!
まるで生き方を教えてもらってると感じる出来事でした。
綺羅(宮城県/60代)