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越境へのパスポート

『すそいおん』

何だろぅ、、この5文字のひらがなの羅列は?

呪文? マントラ? 或いは、おまじない?


2019年の暑い夏のある日、友達から唐突に受け取った『すそいおん』。

長い歳月生きてきた人生の中、

はたまた、ほんの瞬間のちっぽけなカケラに過ぎない人生の後半戦、

偶然にも出逢った『すそいおん』。

疑念と疑惑を持ちながらも、その日を境に実験の日々始まる。


そして、『すそいおん』を握り締め向かった沖縄。

タイミング良く予定されていたスケジュールで島に渡る。

さっそく、まるで何かに突き動かされるように、海に向かって『言葉』を発し続けた。

先ずはどうか、現実に、「目で見えるカタチで、与え給え、信じさせてください、、」と。


その後、島から戻り友人たちとランチへと向かう。

早い時間のホテルのレストランは、人もチラホラ。

勇んでバイキングのトングを鳴らしながら会場を小走りに、

そして山盛りの琉球野菜とソーキそばを載せたトレーを持って席に戻ると、

な、な、な、何と、これだけ広い会場の真隣の席に、

東京の会いたかった5年振りの友人が、あり得ない、あり得ない、

私の真隣の席にいるではありませんか、、


ひいぇぇ〜

心の中で降参の白旗を振りながら、

その日を境に、改めて『すそいおん』との日々が始まった。

その日の出来事を今振り返ると、

何と浅はかな思考なのかと、恥ずかしくも懐かしく笑える。


そして今、

これほど想定外で大切な、到底理解など出来ない、

越境へのパスポートを頂けたような喜びに、

『言葉』を知った1人の責任とし、自称伝道師をしています。笑


その後、決して、あの時のようなドラマチックな現象は起こらないけれど、

積み重ねられた小さな確信が、少しづつ、少しづつ、

人を含む世界の歪みに、微細であっても振動を与え続けることを信じています。


最後に1つ、

じゃーいったい、使うための秘訣は?と問うたなら、

唯一、使い続けること。

エントロピーが増大するホモサピエンスのシステムに抗いながら、

ひたすら、使い続けることが出来るか、だけらしい。



レム子(東京都/60代)

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