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病室で大笑い

母と同居している姉から、母がインフルエンザ脳症と診断され、集中治療室に入ったと連絡がきました。医師から「危険な状態にある、延命治療を受けるかどうか家族で決めておいてほしい」と話があり、急遽もう一人の姉と母のもとへ向かうことになりました。私も姉も遠方に住んでいるため、とりあえず姉のところまで行ってその日は泊まり、次の日に二人で向かうという予定になりました。


大変な状況になってやっと真剣に、母に向けて『言葉』を使いました。意識がないということだったので、行った時には意識が戻っていればいいなあと思いながら、何度も使い続けました。次の日、新幹線の中で「集中治療室から出られた」という姉からのメールを受け取り、ああよかった、とほっとして、その夜は久しぶりに会った姉夫婦と話が盛り上がり、みんなで大笑いして楽しく過ごして寝付きました。


そして翌日病院へ行くと、病室には、インフルエンザ脳症のことを検索して調べていた通りの症状の母がいました。ぼーっとしていて私たちのこともわからず、言葉を掛けても反応がないのです。姉二人はただただ困惑している様子。私はやっぱり『言葉』しかないと、『すそいおん』を繰り返しました。と、その時不思議なことに。何故か昨夜の大笑いの場面がよみがえり、こらえようのない笑いが込みあがってきたのです。訝しがる姉に、他の患者もいる病室で失礼かなと思いながら、昨夜の盛り上がったネタを話すと、姉たちもこらえきれずに笑いだしてしまい、母をよそに三人で笑っていました。すると母が「あの時は面白かったな」と急に話に参加して笑い出したのです。笑い出すと意識がはっきりしてきたのか、目の焦点も合い、ろれつも回りだし、徐々に状況がわかってきたようでした。そのあと病室から出て散歩することもでき、広い窓から海を一緒に眺めながら、母が戻ってこられたことを確信し、安堵しました。


あの時の、大笑いを呼び起こしてくれたというのが『言葉』の力なのかな、と思うのですが、何か『言葉』のもつ面白みを感じられたような気がして、もっといろんな面を体験したり、知ったりできるように、使い続けていきたいと思います。



coppe(徳島県/50代)


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